金木犀(きんもくせい)

ナナの散歩道の途中に広い公園のような所があって,鯉のいる池や四阿(あずまや)や花の寄せ植えなどがある。地元の人達が散歩したり,中高生がスケートボードやバドミントンをしたりして,あたりが薄暗くなっても割と人がいる。

そこに金木犀の並木がある。本当なら今週ぐらいが満開で良い香りがいっぱい漂うものなのだが,先週から何度も風の強い日があって,せっかく花が咲き始め少しずつ増えたのに,一気に散ってしまった。とても残念だ。

散る前の花が増え始めた頃

金木犀の花言葉はいくつかあるが一つは「気高い人」だったと思う。

金木犀の品の良い香りが好きで,子どもの頃から「9月になると漂うこの心地よい香りは何だろう?」と思っていた。小学校5年生の時に,たまたま一緒に放課後委員会活動をしていた6年生が「金木犀の匂いが気持ちいいね。」と声をかけてくれて,その時から「金木犀」は私の中で特別な花になった。

私の実家の庭には森のように木々がたくさん生えていたのだが,金木犀はなかった。他の木の花も大好きだったのだが,どうしても金木犀が欲しかった。

小学6年生の終わり頃,町から小学校卒業生へのお祝いとして苗木をくれるという話があり,いくつか選択肢があったのだが迷わず金木犀を選んだ。

卒業する数日前にもらった金木犀の苗木を庭の日当たりの良いところに植えて,大きくなって花が咲くのを心待ちにした。

金木犀の木は大きくなった。思った以上に大きくなった。実は4〜5メートルぐらいの高さになることもあると知ったのは大分後のことである。

中学には金木犀の木はなかったが,高校では出入り口の前に大きな木があって,学園祭の頃になると良い匂いがして,元気が出てきて,文芸部の文集の印刷が誤字脱字だらけでも「チャチャっと直すぞ。」という気持ちになれた。

金木犀の香りは「気高い」というのが合っている。それにまっすぐ立つ常緑樹のキリッとした葉の形やツヤがやはり「気高い」

自分の中では9月といえば金木犀と曼珠沙華(ヒガンバナ)。曼珠沙華にも思い入れがあるが,今回はナナの散歩道の散ってしまった金木犀がとても寂しかったので書いてみた。

実は金木犀と曼珠沙華は,自分の大好きな「東京喰種トーキョーグール」と「東京喰種:reトーキョーグールアールイー」という漫画にも少し関わる所があるのだけれど,今は書ききれない。残念。

https://youngjump.jp/tokyoghoul/tg/

↑公式サイトがあった。もう3年も前に連載は終わっているのだが。

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