ADHD・ASDがある自分と仕事

今日の弁護士ドットコムニュースに面白い記事があった。見出しは「発達障害の当事者が「管理職」になって感じたこと、工夫できたこと」だった。この「当事者」というのはreiさんというTwitterで同じ悩みのある人の相談に答えている方だそうだ。KADOKAWAから「生きてるだけで、疲労困憊。」というエッセイを出されたというニュース。

https://www.bengo4.com/c_5/n_13333/

発達障害があって管理職をしているという人という見出しに惹かれて記事を読んでみた。

この方,reiさんもADHDとASDがあるそうだ。

最近ではすごく当たり前のように使われるADHDとかASDという言葉は20年ほど前にはほとんど知られていなかった。特別支援教育に(当時は養護教育)携わる人や精神科や心療内科に関わる人の間で知られていたぐらい。一般学校(当時は普通学校)では全くと言っていいくらい知られていなかった。LDと一緒にされていたと思う。そして一般学校ではLDでさえあまり理解されていなかった。

reiさんはインタビューの中で,「ADHDの時間感覚の欠如」と「ASD『空気を読む触覚の欠落のようなもの』」とに触れていた。

自分も時間感覚は欠如している方かもしれない。

順を追って計画を立てて作業に取り掛かるということができない。側から見ていると「いつ始めるんだ?」「間に合うのか?」と非常に精神にきついものがくるらしい。いざ取り掛かってしまえばすぐ終わるのだが。reiさんも「取り掛かってからの過集中」に触れているけれど,取り掛かってしまうと異常に集中して作業が終わってしまうので締切に間に合うのだ。それが周りの人には「ふざけている」「仕事をなめている」と見えることもあるだろう。それはわかる。

時間感覚だけではない。Out of sight out of mind. でもある。視界にないもの(一度視界から外れたもの)は存在しなくなるのだ。

それを忘れると困るから,自分がしてきたことは「指差し確認」「ノートにメモしてもノートを忘れるから付箋に書いて目の前の机などに貼る」「絶対忘れてはいけないことはB5以上の大きさの紙に書いて通勤バッグに貼り付ける」「手や腕に油性ペンで書く」など。PCが仕事の中で大きな位置を占めるようになってからはラップトップに付箋を貼り付けるなどしていた(ラップトップのディスプレイの付箋機能ではない、紙の付箋である)。

それから不思議なことに,PC作業は周りの人より早い。PCには人とのコミュニケーションのようなものがないからかもしれない。

20年以上前に「あなたの症状はADHDです。」と言った心療内科の先生は,「コンピュータはあなたに向いていると思います。」とも言っていた。

ADHDやASDがあっても仕事はできないわけではない。知人のASD研究者の方など「大学教授なんてほとんど自閉スペクトラムですよ。」と言っていたが,自分の身内にいる大学教授はどう見てもASDである。

小学校の先生や特別支援学校の先生など,児童生徒の興味関心をひき学習へ引き込むために,ほとんどEテレの幼児教育番組の「おにいさん」「おねえさん」のテンションである。時には「正気か?」と言われそうな突拍子もないアイディアが飛び出してくる。ADHDのある人の中にはそういう仕事が向いている人がいる。

ADHDやASDだと診断された時に「そうかぁ,ひらめきがあるんだぁ。」「一つのことにめちゃくちゃ集中できるかも。」とかポジティブに受け止めると気が楽なんじゃないかな。

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