金木犀匂う

こんなに花がたくさん咲いた。

ナナの散歩道にあった金木犀は,先日かなりの強風が吹いたためほとんど散ってしまった,と思っていた。

ところが先週ぐらいから好天が続いたためだろう,また花が咲いて更に増えてきた。今は家の中まで爽やかな匂いが漂ってくる。金木犀は花自体は地味かもしれないけれど,この独特の花の香りが他のどの花とも違っている。どこにいてもそれとわかる匂いなのだ。花言葉は「気高い人」

ナナとの散歩も,この匂いにつられて私が歩く方向へナナがついて来てくれる。

以前「トーキョーグール」と金木犀の関連を書いていたのだが,そもそも主人公の「金木研(カネキケン)」の金木という名前が金木犀からきているように思われる。

金木犀の花言葉が「気高い人」であることからも,主人公の性格を表していると思う。ただし,作中にはカネキ以外にも「気高い人(グールだったとしても)」が幾人も登場する。一見悪だがある意味気高いと言える人もいる。

「東京喰種トーキョーグール:re 」という第2部になると,「木犀章」という勲章のようなものが出てくる。曼珠沙華といい,この作者は秋の花が好きなのだろうか。

この作者は,セリフも色々書き込んでいるけれども,どちらかというと何か場面にある一つの物や一人の人物の位置やポーズで何かを暗示することが多いと思う。少なくとも「トーキョーグール」では。これは作者の初めての連載だったそうだが。

北原白秋の詩や,白いカーネーション,曼珠沙華,木犀,蝶,ピエロ等々で暗示されるものがたくさんある。

伏線は回収されているのだが,暗示や比喩,言葉にされていない部分で語られることが多いので,読み取り方によっては回収できていないような気持ちになってもやっとする人もいるかもしれない。

私は主人公のカネキはもちろん大好きなのだが,ナキという教養がないために頓珍漢な発言や凶暴な行動をするが,実は真っ直ぐな部分があるキャラも好きだ。

「 ZAKKI」という「トーキョーグール」の画集が2種類出ていて,その2番目の,より分厚く中身の濃い画集の中にある,ナキと彼が慕っていたヤモリという男の会話のイラストが好きだ。ヤモリは金木を拷問して人格までかなり変えてしまった男だが,彼自身もまた人間によって拷問されて人格崩壊してしまった犠牲者でもある。そのヤモリがナキに対して「人間が神と呼んでいる存在」について語るシーンがイラストになっている。

このイラストは「トーキョーグール√A 」という,本当にどうしようもなく原作からかけ離れたアニメのエンディングに出された物である。毎週違うイラストが出て,「トーキョーグール√A」はどうしようもないが,作者オリジナルのエンディングイラストは最高,と言われているようだ。

ヤモリがナキに優しい言葉で「神」について説明するのだが,ナキは素直にヤモリが自分にとっての神だと言うので,ヤモリは苦笑する。そういうストーリーがイラストから見えてくる(セリフも入っているが)。アニメの本編よりエンディングのイラストが物語だった,と言うすごいものであった。

そんなこんなで,金木犀は今日も「気高い」何かを感じさせてくれるように匂っている。

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