夫の作るファラフェル(ひよこ豆コロッケ)

昨日,夫の休みが取れたので,彼が前々からずっと気になっていた実家の草刈りと姉と私へのランチご馳走の日と言うことになった。

ランチといっても,どこかへ食べに行くのではなく,夫が中東料理「ファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)」を作ってくれるというもの。

夫は料理が上手でよく自分で何かしら作っている。彼のお母さん直伝のパレスチナの料理(レバノン料理とほぼ同じだが時々違う)や自分で考えたオリジナルなど。味も美味しいし盛り付けもきれい。料理をするたび,同じ料理であっても味が違ってしまい2度と同じものが作れない私とは大違いだ。

最近はファラフェル用の抜き型を買ったので,盛んにファラフェルを作っている。

私は今のところ毎日しっかり食べるというのは難しく,2日に1回ぐらいレトルトカレーを温めもせずパックから食べたり,箱買いのクロワッサンを時々かじったりしている。夫は私の調子が悪くなり始めた頃は「美味しいご飯ができたよ」と料理してくれていたのだが,私が食べられなくて悲しい顔をするので「食べられる時には言って。美味しいもの作るから。」と言ってくれるようになった。

彼は仕事が力仕事なので毎日しっかり食べている。今回のファラフェルは休みの時に大量にタネを作って小分けして冷凍していた。前からずっと「食べて食べて」と言っていたのだが,なんだかんだで私の調子が悪かったのだ。

私の姉の状態もあまり良くないことを知っているので,夫は「お姉さんにも食べさせたい。」と言っていた。姉は私と違い,毎日食事はしているので行く日を伝えて心構えしてもらった。

ファラフェルのタネというのは,一晩水につけたひよこ豆をミキサーで砕いて,重曹を少々,パセリやコリアンダーの微塵切り,おろしニンニク,塩とスパイス(クミンとかカルダモンとかパプリカとかシナモンとかお好み)を混ぜてこねて(見た目は餃子の中身に似ている)丸い型で抜きながら油に落として揚げて作る。

一括りに中東と言ってしまうけれど,言語や料理は大分違うところもあって,エジプトだとファラフェルではなく「ターメイヤ」と呼んでいて,ひよこ豆だけでなくソラ豆を潰して加えている。でもそのターメイヤをファラフェルという地方もある。料理は地方によって形態が変わるのは,きっとどこでもあるのだろうけれど。

揚げたてのファラフェルをそのまま食べても美味しいが,ピタパンにホンモス(ひよこ豆とレモンとオリーブオイルとニンニクの塩味ペースト)を塗って,トマトやレタスやキュウリのピクルスなどと一緒に挟んでレモン味のねり胡麻のソースをかけるとすごく美味しい。普段ピタパンは夫が暇な時に作るのだが,今回は市販のトルティーヤでくるりと巻いてみた。オリーブも添えてみた。

ファラフェル,付け合わせレタスと青唐辛子,オリーブのピクルス,ホンモス,タヒーナ(ねりごま)ソースと野菜

姉のいる実家に行く道すがら「何が必要だったっけ?」と夫と二人で話し合いながら買い物をした。普段行く自宅近くのスーパーには普通にキュウリのピクルスやオリーブピクルスの瓶詰めがあるのだが(一番良いのはイオン系の「やまや」というお店),そのスーパーにはすごく小さなキュウリのピクルスのパックしかなかったので数袋買った。トルティーヤは当然だけどなかった。事前に買っておいて良かった。ホンモス(フムスという人もいるがアラビア語ではホンモス)は夫が大好きな業務スーパーで買ったもの。

普段なかなか同じものを同じ時に一緒に食べられないことで,いつも夫には申し訳なかった。一所懸命私を喜ばせようとしてくれることに(自分の料理の腕を自慢したい気持ちが1〜2割ぐらいあるが)感謝した。本当に久しぶりに「美味しい」というのはこういうことか,と思った。でも普段は無理なのだ。それがやっぱり残念。でも一緒に食事をして一緒に美味しいと思えることは素晴らしい。私は前日から「明日の昼は食べる」と身構えて胃を空っぽに近い状態にしていたが(姉も同様にしたらしい),それがなくても揚げたてのファラフェルを挟んだ中東風サンドイッチは,じんわりと美味しさが感じられた。じんわりじんわり嬉しい。

姉も,一口かじった次の瞬間「すごく美味しい」と泣きそうになっていた。

そのようなわけで,今回の夫による「ランチ大作戦」とも言えるランチ会は大成功だった。

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