セミの声

7月初旬はしきりに雨が降り,7月半ばぐらいから晴れて暑くなったが,それに合わせてセミの声が大きく聞こえるようになった。東京で開催中のオリンピックでも,コロナウィルス感染予防のための無観客開催のため,人のいない競技場にセミの声が響くとニュースにもなっていた。

8月になって,セミの声は「ここで一踏ん張り」とでも言うようにちからがこもっているような気がする。

犬の散歩をすると,通りにある並木のあちこちに張り付いたセミが鳴いている。ひょいと首を巡らせて木を見ると,セミの姿が目に入る。どの木にもとまっているようだ。

自宅(と言ってもアパートというかメゾネットの長屋)の庭には大きなクヌギの木があって,クヌギの木というのはセミやカブトムシが寄ってくるので,網戸の向こうから至近距離でセミの声が聞こえる。

この家に越してきて初めて「ひぐらしがこんなにやかましいとは初めて知った。」と思った。

実家の周りは山だったが,山というのは家からは若干離れているので(間に道路や田んぼや畑がある)ひぐらしというの「かなかなかなかな」と,昔から「カナカナ悲し」と呼ばれる通りの切ない声に聞こえていたものだ。

それが目の前で鳴いていると,大音響になるのだ。

ところが,今年はひぐらしが鳴かない。実家の周囲では既に7月から鳴いている。

子どもの頃から7月のひぐらしの鳴く頃に「夏休みの宿題を今年こそ毎日きちんとやろう」と決意しては全然実行できず,ひぐらし=夏休みの宿題ができない予感,となったものだった。

どうして今年は鳴かないのだろう? たとえやかましくても,セミの声は昼間のセミと夕方のセミがあって,夏の初めと夏の半ばのセミの声があって,初めて季節感が出るものなのに。

地球温暖化のせいだろうか。日本(とりあえず関東地方)から季節,四季がなくなるのは恐ろしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です