ビザとかパスポートとか

夫の帰化申請の準備をしている。

永住権も申請したが,そちらはまだ結果待ちである。

国籍やビザの問題というのは,人間がその人にとっての外国に滞在したり生活したりするために,必ず出てくるものである。

日本人が海外に旅行するだけでも,ビザやパスポートは絶対必要である。

私が子どもだった頃は,沖縄県はアメリカに占領されていたので,沖縄という「県」は存在せず,沖縄の人は本土に来るためにパスポートが必要だった。70年代半ばにフィンガー5というボーカルグループがあって,彼らは沖縄出身だったため本土に来る手続きが大変だったりいじめにあったりしたそうだ。

私が夫の住んでいたレバノンに行くためにもビザが必要だった。ビザをもらうためには,大使館に行って申請書やパスポートを出してお金を払って数日待つことになる。数日で出してもらえれば良いのだが,国によっては簡単にはビザは出ない。

アメリカ合衆国へ行くのも,今ではビザというか入国の手続きが面倒になった。2001年の911同時多発テロや航空機への靴型爆弾,ペットボトルでの液体爆発物持ち込みテロ計画を受け,アメリカ合衆国へは「はビザなし簡単入国」は不可能になった。また航空機全般への搭乗前保安チェックも厳しくなった。靴型爆弾があったから,今では保安チェックで靴まで脱がされるのだ。私がレバノンの友達に日本からお菓子を持って行った時にも,「マドレーヌでよかったですよ。これがプリンとかゼリーだったら保安チェックで没収ですからね。」と空港の係員さんに言われた。半流動体(ゲル状)のプリンやゼリーは液体同様「爆発物の疑いあり」として没収の対象になるのだ。

それでも,日本はビザやパスポートがあれば人として扱ってもらえる。

レバノンもそうだが諸外国の中には,パスポートがあろうがビザがあろうがIDカードがあろうが何だろうが,問答無用で留置場に放り込まれることがある。それも衣服を全部脱がされて裸にされることもある。日本の刑務所はどうだか知らないが,レバノンや諸外国の留置場はエアコンなんてないコンクリート剥き出しで,夏の暑さや冬の寒さで死にかけることもある(実際死んでしまう人もいる)。政情不安の国にいる知人や欧米で移民として暮らしている知人の中にも,街中で突然拘束されて留置場に連れて行かれた人がいる。特に理由はなく,街中で騒ぎがあったから誰かを捕まえておかないと格好がつかないとか,明らかに外国人の風貌だったからとか,とんでもなく出鱈目な理由であった。

最近,東京オリンピックに来日したウガンダ選手団の中から,逃亡して不法就労しようとしたが逃げきれずに出頭し,難民申請をしたいと言ったが結局大使館員に説得されて帰国したという男性がいた。この男性は帰国してから警察に拘束され数日後に釈放されたそうだ。

夫はこのニュースを聞きながら「ふざけてるよね。」と怒っていた。「こんなの難民じゃない。ウガンダが大変な状況なのはわかる。でも彼は国のお金で日本に来させてもらえた人だろう? パスポートも当然持ってるよね,貰えるよね。難民申請するなら来日してすぐに空港の入国管理局で申請できたのに。初めから不法就労が目的だよね。逃げきれなかったから出頭したんだよね。こんなの難民じゃない。それにウガンダはいつも頭の上をミサイルや砲弾が飛んでるわけじゃない。」

私も同意見だった。日本の入国管理局は正式で適切な方法で入国した人には,割と親切である。少なくともうちの夫はレバノンにいた時よりも人間扱いしてもらっている。知人の外国人の旦那さんや奥さんもだ。このウガンダ人選手を難民として受け入れなかったのは日本の落ち度だと主張する一部の日本人弁護士は,もうなんだかダメダメというか逆に外国人の立場を悪くしているような気がする。夫ではないけれど「それは違うんだ。」と叫びたくなる。

最初から不法な行動を狙うのではなく,正式な方法を何とか模索してもらいたい。

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