夏の柴犬 ナナに涼しく過ごして欲しい

犬の起源はヨーロッパからロシア,猫の起源はアフリカ北部といわれている。特に猫は遺伝子的にはっきりしているそうで,リビアヤマネコ(リビアの山猫)が全ての猫の先祖だといわれている。

余談だが,リビアヤマネコはどこからどう見てもちょっと大きめのキジトラ猫である。日本でも,とあるペットショップに展示オンリーでリビアヤマネコがいるのだそうだが,キジトラ猫にしか見えないのでお客さんは誰も興味を示さない,という記事を読んだことがある。ウィキペディアの写真を見ても「うちのサバトラのフルフルの大きさぐらいかなあ? 色はキジトラのキルファと同じだなあ。」ぐらいの感じがする。フルフルとキルファは姉弟で,その弟が茶トラのバルバルである。私は心の中でこの3姉弟(キルファの態度がとてもえらそうなので絶対に「あねさん」だと思っている)を「レッツゴー3びき」と呼んでいる。子どもの頃にそういうお笑いトリオがいたので。

さて熱砂におおわれたリビア出身の猫に対して,犬は寒い寒い地方の出身だ。猫は寒さに弱いが暑さに結構強く,うちのキルファは夏の室温40度という普段使わない部屋に入り込むことがある。でも柴ワンコのナナはそうはいかない。

今日の外気温は携帯の気象情報によれば36℃以上である。人間の体温並みに暑い。これは犬には辛い。同じアパート(メゾネット長屋)で犬を飼っているお宅では,たいてい室内飼いか犬小屋の周りにテントを張って日陰を作るかして対策している。

昨年,うちのリビングのエアコンが壊れてしまった。管理会社に連絡したが「フィルター掃除をしてください」だったので,大慌てで冷風機を買ってナナに風が当たるように置いた。また,2階にある普段使わない部屋(猫のキルファが大好きなめちゃくちゃ暑くなる部屋)のドアを開け放ってエアコンをかけた。姉の用事で実家に呼び出されても長い時間はいなかった。ナナが熱中症を起こしたらどうしようかと気が気でなかったのだ(もちろん猫とカメも心配)。

ちなみに,壊れたエアコンを交換してもらえたのは今年の夏である。色々あって。

冷たい空気は温かい空気より下に来るので,2階のドアを開けてエアコンをつけると冷風が下に降りてくる。確かにリビングでエアコンを回すより弱いけれども,何もないよりずっと良い。

猛暑でないうちは冷風機でOKだった。猛暑になってからは2階からのエアコン冷風と,ナナはとても悲しい顔をしたけれど「体感25℃の涼感素材 犬用タンクトップ」というのを着てもらった。

タンクトップ着用中のナナ

タンクトップはPeppyという犬猫用品専門のサイトで3〜4年前に購入したもの。毎年新しい柄の涼感タンクトップや涼感バンダナ(首を冷やす)などが販売されている。元々これを購入した理由は「散歩の時に暑い」からだった。だが一昨年から昨年は自分と家族の具合が悪過ぎて昼間動けなかったから,今年は「よくよく考えたら夜歩いても良いんだな。」と気づいたから,散歩が夜になったので散歩にタンクトップは使わなかった。結局ずっと室内で着用している。青のボーダーも購入したので洗濯して交代に着せている。ナナには赤のボーダーの方が似合うと思う。

夏になってエアコンを交換してもらえたので,今はナナは部屋でくつろいでいる。横になってビローンと足を伸ばしている。

犬の熱中症が怖いのは,子どもの頃に実家で飼っていた子犬が,私が小学校に行っている間に熱中症で死んでしまったから。

ショックだった。朝は元気だったのに,帰宅した時小屋の前で倒れていた。実はその子犬は目が見えなくて,小屋への出し入れは私か祖母がしていたのだ。子犬は2ヶ月ぐらいだったので割と重くて,母犬のチロ(柴犬のミックス)は,子犬が小屋から落ちてもくわえて拾い上げることはできなかったのだ。またチロは繋がれていたけれど子犬はつないでいなかったから,日向に走り出てしまったらしい。悲しくてつらくて,以来犬が日向に出っ放しにならないようにと気になるのだ。

危機に対しての無知というのはとても怖い。

この母犬のチロもその子犬が亡くなってから数ヶ月後にウィルス感染症で死んでしまった。チロの前に私が生まれる前からいたジョンという犬がいたが,ジョンは10年以上生きたと思う。でもジョンは父が散歩がわりに鎖を解いた日に列車に近づいてあおられたショックで死んだ。チロはたったの4歳。フィラリアで死んだクマは5歳だった。もし私や家族に犬の熱中症やウィルス感染症や寄生虫の予防の知識があったら,放し飼いなんて危険以外の何ものでもないという知識と良識があったら,みんなもっと長生きできただろう。

昭和の半ばの田舎では,誰にもそんな知識がなかった。無知は罪という残酷だと思う。

チロの後,つらくてしばらく犬は飼えなかった。クマを飼うことになったのは,親戚の家で子犬がたくさん生まれて貰い手がいなければ保健所に連れて行く,と聞いたから。クマの姉妹達の里親になってくれる人も見つけた。そしてクマには本当に私が世話になった。

クマにも子犬がいて,その子犬がウィルス感染症で死んでしまった時に「この様子はチロと同じだ」と気づいて,本を調べてウィルス感染症がわかった。だから,ナナには年に1回の混合ワクチン接種を必ずしている。

クマがなくなってすごくショックで夜うなされることもあった。数年犬は飼わなかった。しかしある時子犬を保護してしまい,その子がうちの子になって,ホーリーと名付けた。ホーリーは老衰で亡くなるまで私の両親に可愛がられた。

犬だけでなく,猫のことでも色々思うことはある。でもここでは「犬の熱中症に注意」と書いておきたい。

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