復帰準備

長いこと書き込んでいなかった。4ヶ月ぐらい。その間何をしていたかというと,たいしたことはしていないけれど,それなりに仕事に復帰するため何かしらしていたつもり。

11月に夫と大喧嘩した。

夫が仕事でうまくいっていなかったこともあって,イライラをぶつけてくるようになった。些細なことだが,言葉のやりとりはあるのだが「そんなの忘れてくれ」「別に」「やりたいようにすれば?」など,投げやりな感じがあった。

夫は基本的に善人。気も優しい。だが感情を抑え込む癖があり,マイナスの感情が溜まると,本人は意識していないが,言葉や態度に「マイナス感情」が漏れてくる。全て後ろ向きになる。相手と向かい合わなくなる。全身から「全部自分以外の何かが悪い」と言っているようなオーラが立ち上る。

それで私が突然爆発してしまった。本当に堪忍袋というのがあって,その巾着袋の紐がブツンと音を立てて切れるような勢いだった。

夫に対して,「馬鹿野郎自分だけが苦しいような顔をするな。」などとは言わなかったが,そう言いたい気持ちが口から溢れてくるようで喉に詰まったようだった。

だから声にならない声をあげて泣き叫んだ。声は出しているのに出なかった。引きつったような音にならない音で「ああああああ」と叫んでいた。それから「ふざけるな,ふざけるなぁ」「いい加減にしろ」と言葉が出た。夫に聞こえたかどうかはわからない。

夫は「泣いたら話にならない」「勝手にして」と家の外に出ようとした。裸足で追いかけて,自分も外に飛び出して,「ふざけるな,ふざけるな」と繰り返しているうちに涙が出てきた。

涙が出るなんて,何年ぶり? というくらい感情が表に出ることもなくずっと泣くこともなかった。母親が死んだ時にも泣かなかったし,実家が天災で壊れても泣かなかったのに。

涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになって,髪を振り乱し,足裏には枯れた草の根っこが当たっていたが構わずにうずくまって地面をどんどん叩いた。夫が戻ってきて「恥ずかしいからやめなさい」と引きずって私を家に運び込んだ。

その後は,夫はただダンマリでタバコを吸って,私は涙と鼻水をティッシュで拭きながら一箱使い切ってしまう勢いで,つかえながら夫に話した。

「黙ったままで怒られても困る」「そちらが一人で我慢しているつもりでも,ダダ漏れになっているからこちらも辛い」「察して欲しいという素振りはASDのある自分には困る」「具体的に何をして欲しいのかはっきり言ってもらわないと自分にはわからない」「あなたは何がどんな風に辛いのか伝えてもらいたい」

夫は何も言わなかった。その日は何も話さないで終わりになった。私だけが話していた。

だが,次の日から,何やら夫の顔は妙にスッキリしていた。

私自身もなんだかスッキリしてしまった。

こんな形でこんな原因で泣くというのは想定外だったが,大泣きするという行為は,何かしらカタルシスがあルのだろう。

その日以後,「ひょっとしたら仕事に戻れるかもしれない」と思うようになった。

心配なのは猫と犬のこと。ワンコもニャンコももう老齢にさしかかっているので,それだけが気がかり。留守のうちに体調を崩したらとそれだけが心配。

だから,仕事に戻るのにしても,よくよく覚悟を決めなければいけない。無駄なサービス残業や退勤時に「あ,ちょっといいですか?」と声をかけられて余計な仕事を引き受けるのを,もう2度としない,という覚悟だ。必要がない仕事を延々とさせられることは,私には苦痛だし,それ以上に家庭を崩壊させる原因にもなるのだから。

本当に必要がない仕事だから苦しいのだ。必要だったらあんなに苦しくはなかったのだ。私の頭の上にはいつも『?』の文字が浮かんでいた

「この人達は,これが仕事だと思っているのか?」

あれは彼らの自己満足に過ぎなかった。堂々巡りで延々と「でもでもだって」を繰り返す決して結論の出ない(出さない前提なのか?)会議。際限なくプリントアウトしてはシュレッダーにかけていく書類。この書類は提出はしない,ただシュレッダーにかけるためのプリントアウト作業をするだけ。

無意味でもなんでも動いていれば仕事をしている気分になれる人は幸せだ。

昔聞いたことがある拷問の話を思い出す。

底の抜けたバケツで水を汲む作業。

1つのバケツからもう1つのバケツに水を移し替え戻すだけの作業。

つまり彼らがしていることは拷問なのだ。笑顔で楽しそうに拷問してくるのだ。

自分がいた職場はそういう所だった。

戻ることが正解なのかどうかわからない。だが,正直なところ生活というのはうんざりするほどお金がかかるのだ。

私はワンコとニャンコとカメを守らなければならない。彼らの生活を守らないといけない。そのために先のことを考えている。

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