Global Citizen Liveのチャンネルをチェックしていたら,ColdplayだけでなくBTSの動画もアップされていた。
改めて「良いなあ」と思った。ただし,私には背景のソウル市内の映像がグリーンスクリーンに見えてしまう,という問題があるのだが。それは私がASDを持っているからかもしれない。ドラマや映画を見ていても「ここから先はグリーンスクリーンだ。」と思いながら見ている。それはいつものことだ。だから私はマーベルの映画を見られない。見ても変な感じがする。全面にグリーンスクリーンが張り巡らされているように見えるから。
それは置いておく。
私は小学校に入学する前はクラシックばかり聞いていて,特にバロック音楽が好きでバッハやヴィヴァルディがお気に入りだった。モーツァルトやベートーヴェンも聞いたが,実はベートーヴェンはあまり好きではなかった。ヘンデルは好きだったかもしれない。両親がクラシック音楽が好きで家にレコードがあったから。
幼児期にクラシック以外で聞いていたのは,モンキーズをほぼ毎日(テレビ番組があったから),ビートルズを時々(父のラジオから流れてきたのでビートルズ以外もあった)。小学校に上がってすぐに,シカゴの「長い夜」を聞いてすごく気に入った(母の末弟がバンドが好きだった)。
毎日毎日洋楽とクラシックばかり聞いている私を心配したのか,当時父の弟がまだ大学生で教員養成課程にいたのだが,ある日童謡のレコードを買ってきた。ありがたく頂戴したし,ほのぼの聞いたり眺めたりもしていたのだが,やはり洋楽とクラシックが好きだった(滝廉太郎も好きだった)。
小学生になってからはパートリッジ・ファミリー,ジャクソン5(マイケル・ジャクソンがいた)や日本のフィンガー5(ジャクソン5やモンキーズ,パートリッジファミリー等のカバーをしていた),ニール・ヤング,フォーカス(オランダのプログレッシヴロックバンド),ジェフ・ベック,ディープパープル,レッドツェッペリン,ザ・フー,パティ・スミス,クイーン,ジェスロ・タル(マニア向けのブリティッシュロックの大御所)などを聞いていた。特にプログレは大好きだった。
当然だが,学校で話が合う子どもは全くいなかった。一人でいるのに慣れていたので,同じ趣味の子が周りにいなくても,特に困りはしなかった。
そのまま大きくなって,クラシックと洋楽だけでなく各国の民族音楽も聴くようになり,馬頭琴(モンゴルの伝統楽器)やダブキ(アラブの太鼓)など,気に入ればなんでも聞くようになった。
「何でも」の中には日本の歌も入ってきた。というか,大人になるまで日本の歌はあまり(フィンガー5以外)聞かなかった。仕事柄若い子らと話す機会が多かったので,ヴィジュアル系やジャニーズ系も聞くようになったのだ。
また仕事柄外国人と話す機会も多かったのだが,私の雑多な音楽の趣味は,外国人の同僚からは絶賛された。ジェスロ・タルやウォーターボーイズを知っている日本人がほとんどいなかったから(ジェスロ・タルは欧米では大人気なのだが)。
その私が,最近K POPにはまっているのが,本当に不思議だ。
ここ数年,抑鬱状態が続き動くことも思うようにいかなかった私が,K POPを聞いてニコニコしているのだ。自分でびっくりした。特に好きなのがBTSなわけだが,初めてDynamite をMTVのUSチャートで見た時に思い出したのが,中学生の時に流行っていたジョン・トラヴォルタ主演の「サタディナイトフィーヴァー」だった。あれは社会現象のようになっていた(その後スターウォーズが現れてしまってかすんでしまったが)。実際BTSのMVには,ジョン・トラヴォルタの決めポーズへのオマージュのようなシーンがある。
Permission to Dance が国連でも撮影されたりビデオチャレンジが世界を駆け巡ったりしているのだが,個人的にはDynamaite と Butter , Run が好きだ(Run は「花様年華」というテーマで制作されたアルバムとその世界観に沿って作られたストーリーの重要な曲で,ル・グィンの世界観に影響されたところとかあって,楽しいダンスには向かないと思う)。
落ち込み,叫びたいのに叫ぶ声も出ない,泣きたいのに涙も出ない,感動のなかった私がちょっと笑顔になれる。それだけでもBTSに感謝したい。