夫と私が出会った国のこと

https://news.yahoo.co.jp/articles/e3d132c1909e24f0798e99ec7b736567ce4d6aef

時事通信のニュースでレバノンの状態が出ていた。

レバノンは食料も医薬品も日用品も輸入に頼ってきた。特にシリアからの輸入が多かったのだが,10年前から始まったシリアの内乱で(これに関しては言いたいことが山ほどある)シリアからの輸入が激減し,ついには無くなってしまった。なので,シリア以外の国(例えば中国とかトルコとかサウジアラビアとか)に頼るしかなくなった。

昨年の8月にベイルートにある国際港(ラ・ポールと呼んでいる)が爆発してしまった。それは世界中でニュースになった。政府が管理をすべき危険な物品が港に置きっ放しになっていたための,完全な人災,政府の不手際だった。

レバノンという国は小さくて,日本で言ったら岐阜県ぐらいの大きさ。そこの首都なので決して広くはない。爆発した国際港のすぐそばに,シリアに向かう幹線道路や国際空港や金融街や繁華街や観光地や大学や病院や何もかもが集まっていた。それらは皆爆発に巻き込まれて吹き飛んでしまったり倒壊したりした。

元から不足していた食料品や日用品や医薬品は完全に供給を絶たれてしまった。

今人々はガソリンがないから車にも乗れない。石油がないから発電所は動かず(ガソリンがないから自家発電機も使えない)電気もない。電気がないので水の供給ができない。病人も怪我人も手当は受けられない。車が動かないから救急車などは動かない。消防車も動かない。バスもタクシーも動かない。どこへもいけない。最近はロバを飼育して移動や荷運びに使う業者が出てきたという。

食料がない。国連やNPOからの配給もどんどん減っている。一袋200〜300円ぐらいだった家庭用のパンが今では4000〜5000円ぐらいになってしまった。大戦後の日本の闇市もそうだったのだろうか。

夫の実家はシリアやトルコの国境に近い。国境を超えて武装勢力が来ることがある。

数年前には家の庭に砲弾が着弾して家中の窓ガラスが割れ壁が壊れた。

街の通りではシリアからの難民やパレスチナ難民,家を失ったレバノン人避難民などの間で諍いが起こる。銃は普通に出回っているからヒートアップしたら危険しかない。

ビザやパスポートの話でウガンダの元オリンピック選手のことを書いたけれど,ウガンダで30年ほど前から国が混乱しどこも危険で皆貧しいのは聞いていたけれど,それでも,1970年代のレバノンのパレスチナ難民キャンプのように「人肉以外食べるものがない」と訴えつつ次々餓死していく状態ではないと思う。

今日は天気は良かったけれど,何だか頭の中身が体から引き剥がされるような気持ち悪さが時々込み上げる。気圧が下がっているのだろうか。頭がまとまらない。

不機嫌ではないが,楽しいことが浮かばなかった。心を明るくするアニメでも見よう。

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